~長野県最大級のイオンモールが須坂に誕生~

2025年10月3日(金)AM9:00「イオンモール須坂」グランドオープン!
長野県北信エリア待望の超大型商業施設「イオンモール須坂」が、この秋いよいよ開業します。長野市中心部から約8km、須坂市中心部から約3km、上信越自動車道・須坂長野東IC至近という好アクセス。県内初登場・北信初登場の専門店を多数含む約170店舗規模で、グルメ、シネマ、アミューズメント、ガーデンなど“買い物+滞在+交流”を兼ね備えた新拠点が北信に生まれます。aeon.infoイオンモール

1. 立地と規模の概要(データ早見表)
項目 | 概要 |
所在地 | 長野県須坂市大字福島386-1(須坂長野東IC至近/県道長野須坂インター線沿い) |
開業日 | 2025年10月3日(金)AM9:00 グランドオープン |
店舗数 | 核:イオンスタイル須坂/サブ核:ユニクロ・ジーユー・無印良品・スポーツデポ・ジョーシン・未来屋書店・ASOBLE 他/専門店約170店舗(うち県内初57、北信初45) |
延床面積 | 約91,000㎡(総賃貸面積約63,000㎡) |
駐車場 | 約3,700台/駐輪約300台 |
営業時間(予定) | 専門店10:00-21:00、レストラン11:00-21:00、イオンスタイル1F 8:00-22:00 等(エリアにより異なる) |
年中無休 | はい |
従業員 | 施設全体約2,500名(内イオンスタイル須坂約400名) |
データ出典:イオン公式リリース資料。イオンモール
2. モールコンセプト:「このまちで ずっと つながる つなげる」

イオンモール須坂は“地域接続型”を前面に掲げ、買い物に加え「人と人」「地域と地域」「暮らしと自然」をつなぐ交流拠点を目指しています。施設デザインのグランドコンセプトには「TSUMUGU SUZAKA」(須坂の資源・人・文化を紡ぐ)が据えられ、地域色を強く打ち出す計画が進行中です。city.suzaka.nagano.jpイオンモール
3. ここがすごい!主な施設特徴
3-1 県内初/北信初含む約170専門店ラインアップ
話題のライフスタイルブランド、スポーツ、家電、雑貨に加え、IMAXレーザー対応シネマや大型アミューズメント施設を導入予定。県内初出店57、北信初45と“新体験”をまとめて享受できる集積力が魅力です。イオンモール

3-2 グルメ集積「SUZAKA蔵」+レストランゾーン+大型フードコート「FOOD FOREST」
郷土の“蔵文化”をモチーフにした食物販ゾーン「SUZAKA蔵」(約20店)、14店規模のレストランゾーン、約1,100席のフードコートが設けられ、県内随一のバラエティと席数で食の滞在価値を高めます。イオンモールcity.suzaka.nagano.jp
3-3 オープンガーデン「SUZAKAノ庭縁(ていえん)」約4,500㎡

四季の植栽、イベント広場、子ども遊具、ペット同伴散策可。須坂創成高校とのコラボによる「地域連携の庭」も整備され、地域参加型で育てる屋外コミュニティスペースとして機能します。city.suzaka.nagano.jpイオンモール
3-4 核店舗「イオンスタイル須坂」+“レジゴー”近未来カート導入
地場食材重視の大型食品ゾーンに加え、コスメ、衣料、キッズ・ベビー、生活用品までワンストップ。全国初となる「レジゴー」の近未来カート導入でスマート決済の体験性を高める計画です。イオンモール

3-5 地域連携策(包括連携協定予定/WAONポイント相互利用検討/「須坂市ブース」構想 等)
須坂市と包括連携協定締結を予定。市・商工会議所等と連携し、WAONポイントを既存市内店舗で相互利用する仕掛けを協議中。さらにモール内に「須坂市ブース」を設け、物産・観光情報・ふるさと納税PRを行い市内回遊を促す構想が示されています。city.suzaka.nagano.jpイオンモール
4. 「須坂に決まるまで」誘致・攻防合戦!
4-1 長野市内出店計画と反対(2000年代~)
2000年代、長野市内(篠ノ井地区等)で大型商業施設計画が複数浮上したものの、農地転用や中心市街地への影響を懸念する商工団体・市の姿勢が強く、イオン側は出店を断念した経緯があります。エヌビーエステレビビジネスジャーナル
4-2 2010年代~15年前後:須坂長野東IC周辺開発構想と長野側の撤回要望

長野市商工会議所・商店会は、長野市から消費が流出し中小・零細店が弱体化するとの懸念を示し、出店計画撤回を求める要望書を提出しています。結果としてイオンは須坂側の開発に軸足を移し、隣接立地で広域集客を狙う展開に舵を切りました。ビジネスジャーナルエヌビーエステレビ
4-3 「決まった以上は地域活性に活かすべき」―専門家コメント
反対一辺倒ではなく、自治体・商工団体がモールと対話し地域活性に結びつける発想が重要だったのでは、との流通ジャーナリスト西川立一氏の指摘。大型施設は自治体協力が不可欠で、共生の仕組みづくりが鍵と述べています。ビジネスジャーナル
5. 長野市商業界の懸念と現在の対応
5-1 「脅威」に揺れる商店会:客足流出・働き手確保・買物弱者
長野商店会連合会ほか市内6商工団体は、市長に対しキャッシュレス還元など市内店舗支援、雇用支援、買物弱者対策を求める要望書を提出。「週末だけでなく平日客まで流れると死活問題」「高齢者が多い地区で小店がなくなる懸念」との声が上がりました。TBS NEWS DIGエヌビーエステレビ
5-2 市長コメント:「脅威かもしれない、しかしチャンスにも」

荻原健司・長野市長は要望受領後「脅威かもしれないがチャンスにもなり得る」と発言。共存共栄策を議論する“出発点”と位置付け、市内回遊を促す施策検討を表明しました。エヌビーエステレビTBS NEWS DIG
5-3 買物弱者・公共交通・雇用流出への政策課題
要望ではキャッシュレス支援のほか、地域公共交通・雇用確保策も焦点化。大型モール開業で中心部利用が減れば、公共交通減便→高齢者アクセス悪化の連鎖が懸念されるとの指摘が報じられています。TBS NEWS DIGエヌビーエステレビ
6. 大型郊外モール出店が地域にもたらす影響:研究・過去事例から
研究レビューによれば、郊外型大規模店舗は中心市街地の商業集積減退(売上シフト)を招く一方、自動車社会の地方では利便性向上が評価されるケースが多いとされています。交通渋滞・景観・高齢者アクセスなど負の影響に加え、大量雇用・広域集客・地域イベント機能等の正の効果も指摘され、自治体の調整・連携設計が成果を左右します。ビジネスジャーナルJ-Stage
7. 信州経済界へのインパクト:何が変わる?
7-1 広域商圏再編(北信全域~中信一部へ波及)
交通結節点(高速IC+主要県道)立地は長野市・須坂市のみならず北信エリア一帯からのドライブアクセスを引き寄せ、従来長野駅前や各地の中規模SCに分散していた購買行動を再編する可能性があります。イオンモールエヌビーエステレビ
7-2 地産地消・観光クロスプロモーション
「SUZAKA蔵」やモール内「須坂市ブース」による特産品・観光情報発信、WAONポイント相互利用構想など、市内既存店・観光地への送客スキームが整えば“モール発・地域回遊”モデルが構築可能。果樹・味噌・蔵文化など信州資源の露出機会が拡大します。city.suzaka.nagano.jpイオンモール
7-3 雇用と人材流動(2,500人規模雇用インパクト)
施設全体で約2,500人の雇用規模。採用が進めば周辺市町村のパート・アルバイト需給に波及し、既存小売・サービス業の人材確保を圧迫する懸念と、逆に就業機会創出による地域世帯収入底上げの両面が想定されます。イオンモールTBS NEWS DIG
7-4 交通インフラ投資と周辺開発の連鎖
IC周辺では道路新設・拡幅など渋滞対策が進行中(市・県・事業者協働)。インターチェンジ周辺のホテル、物流、工業団地開発と組み合わされる“複合エリア化”が北信経済の新ハブ形成を後押しする可能性があります。city.suzaka.nagano.jpTBS NEWS DIG
8. 共存共栄に向けた地域サイドの実践提案(ブログ主観アイデア)
以下はブログ読者(商店主・自治会・行政関係者)に向けた提案例です。
8-1 「モール来訪 → 市街地回遊」二段階導線
- モール内インフォメ/デジタルサイネージで「須坂旧市街まち歩き」「長野駅前老舗巡り」案内。
- レシート呈示やWAON利用で市街地共通クーポン付与。city.suzaka.nagano.jpエヌビーエステレビ
8-2 キャッシュレス還元+スタンプラリー連携
- 長野市商店会要望にあるキャッシュレス支援をモール発行ポイントと連動し、須坂市・長野市2市共通キャンペーンを設定。TBS NEWS DIGエヌビーエステレビ
8-3 高齢者アクセス補完(買物弱者対策)
- 市街地→モール間シャトル(週数便)+宅配共配センターで“見るのはモール/買物は配送”モデル。
- 地元小店の商品をモール内ブースで代行受注し宅配。買物弱者懸念に応える仕組みづくりが鍵。TBS NEWS DIGcity.suzaka.nagano.jp

8-4 地域イベントの共同開催
- モール広場×市祭り(果物収穫祭、味噌フェス等)で来訪者を季節ごとに地域へ誘導。city.suzaka.nagano.jpイオンモール
8-5 人材シェアリング/研修連携
- モール内で働く若手・パートが繁忙期に地元商店もサポートできるよう短期派遣スキームを検討(雇用支援要望より着想)。TBS NEWS DIGエヌビーエステレビ
9. シナリオで考える「イオンモール須坂」開業後5年間
シナリオ | 主な条件 | 想定結果 | 地域課題 |
A:モール単独吸収型 | 地域連携進まず、モール内完結消費 | 市街地売上減/交通集中 | 商店空洞化・高齢者アクセス |
B:回遊連携型(推奨) | WAON相互利用、ブース・イベント連携、交通対策 | 市街地・観光地送客増、ブランド発信 | 連携運営コスト、データ共有 |
C:周辺開発加速型 | 物流・ホテル・産業団地連動 | 雇用増・税収増・二次投資 | 労働需給逼迫、地価上昇 |
出典:報道・市コラム・事業者資料に基づく筆者試算イメージ。city.suzaka.nagano.jpTBS NEWS DIGイオンモール

10. まとめ:反対から“地域で活かす”フェーズへ
長野市が過去に出店を退けた歴史を経て、隣接する須坂市に最大級モールが誕生するという展開は、地域間競争と連携の両面を浮き彫りにしました。客流出や高齢者の買物環境悪化を懸念する声は現実的ですが、モールを広域観光・地産地消・デジタル回遊の“玄関”に転換できれば、北信全体の経済再活性につながる大きなチャンスにもなり得ます。今後5年間で「つながる・つなげる」の言葉を本当に地域に根づかせられるか――ここが勝負どころです。