四季と歴史が彩る臥竜公園 - 地元の憩いの場を訪ねる! 大正時代、当時の町長松下金六は、工女や職工達の健康を考え、又、市民の憩いの場として、この臥竜公園を作りました。

長野電鉄・須坂駅から徒歩約20分、バスなら10分ほどの場所に、須坂市民の憩いの場「臥竜公園」があります。最寄りの須坂駅からは仙仁線や米子線、南北線のバスに乗車し「臥竜公園入口」で下車すればすぐで、運賃は大人200円ほどですja.wikipedia.org。車で訪れる際は西口・博物館前などの駐車場が利用でき、さくらまつり期間中は一部が有料になりますja.wikipedia.org

臥竜山が公園になるまで ― 製糸業が生んだ市民のオアシス

「臥竜」の名は、明応2(1493)年に興国寺を開山した僧・天英祥貞が、龍が伏せたような山容から臥竜山と名付けたのが始まりと伝えられています。それまでは「小山」と呼ばれていました。江戸期には西国・坂東・秩父三十四番の観音土を持ち帰り山内に埋めた「臥竜山百番観音」が信仰を集め、近郊農民の巡礼の場にもなりました。近世以降も臥竜山は花見や月見の名所として親しまれ、山頂の茶屋は恋人たちのデートスポットでもあったそうです。

須坂が製糸業で栄えた大正期、町長・松下金六は工女や職工たちの健康維持と市民の憩いの場が必要だと考え、日本初の林学博士で日比谷公園などを手掛けた本多静六博士に公園設計を依頼しました。博士が1926年(大正15年)に作成した設計案に基づき、昭和6年(1931年)に竜ヶ池や遊歩道が完成しますja.wikipedia.org。世界恐慌で製糸工場の失業者が増えた時期に行われたこの造成工事は、多くの住民の雇用対策ともなったと記録されています。竜ヶ池造成から1年後には花火大会が開かれ、現在の「須坂みんなの花火大会」の起源となりました。

桜と松の名所、そして四季の花々!色とりどり!

臥竜公園は桜の名所として全国に知られています。園内の桜は「日本さくら名所100選」に選ばれておりcity.suzaka.nagano.jp、竜ヶ池周辺にはソメイヨシノを中心に約160本、公園全体では約600本が植えられていますcity.suzaka.nagano.jp。見頃は例年4月中旬から下旬。昼間は池面に映る桜が美しく、夜にはライトアップも行われ、竜ヶ池に映る夜桜が幻想的ですcity.suzaka.nagano.jp。公園の松林は「日本の名松100選」にも選定され、根上がりねじれ松など独特の姿が楽しめます。

桜のほかにもアヤメ・フジ・ツツジ・アジサイなど季節の花が次々と咲きja.wikipedia.org、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色や水鳥の姿が訪れる人を楽しませます。池のほとりにはレトロな茶屋が並び、真っ黒なおでんや季節のお団子といった名物が味わえるのも嬉しいポイントですja.wikipedia.org

2025年のさくらまつり – 夜桜も楽しめる春の風物詩

毎年開催される「臥竜公園さくらまつり」は2025年も4月1日から20日まで行われましたcity.suzaka.nagano.jp。期間中は18〜22時の間に夜桜のライトアップが実施されcity.suzaka.nagano.jp、昼夜問わず多くの花見客で賑わいました。駐車場は混雑するため、市役所駐車場や臨時駐車場が案内されますcity.suzaka.nagano.jp。協力金を支払うと「さくらまつり記念カード」がもらえ、市内の提携店舗で割引サービスが受けられるのも地元ならではの仕組みですcity.suzaka.nagano.jp

物語に彩られた竜ヶ池と弁天島

公園の中心にある竜ヶ池は、もともと湿地だった場所を池に整備した人工池で、農業用水や水防の役割も担ってきました。池には弁天島と弁天橋があり、琵琶湖竹生島から勧請した弁天さまが祀られています。ボートに乗って池から桜や紅葉を眺めることもでき、落花で水面が埋め尽くされる「花筏」はまさに絶景です。池周辺には歴史を刻んだ手水鉢や石ベンチが残り、往時の賑わいをしのばせます。

臥竜山百番観音と山頂からの眺望

公園の背後にそびえる臥竜山には、横穴式石室の古墳や須田氏の城跡、堀家の霊廟などの史跡があります。臥竜山百番観音は、西国・坂東・秩父三十四番の霊場の土を持ち帰って山内に埋め、江戸期の農民や女性たちが巡礼できるように設けたもので、臥竜山を一巡すると百番巡りと同じ功徳が得られると伝えられています。整備された散策路は家族向けの「わいわいファミリーコース」(全長約2km)、池を一周する「ぐるっと一周コース」(約1.6km)、池畔を散策する「のんびりロマンチックコース」(約950m)などがあり、体力や時間に合わせて歩けます。標高約471mの山頂からは須坂市街地や長野市、遠く北アルプスまで一望でき、2021年に建てられたあずまやで一息つきながら絶景を楽しめます。

アットホームな須坂市動物園と季節のイベント

公園内の須坂市動物園は、「天才!志村どうぶつ園」などで人気となったアカカンガルー「ハッチ」が暮らしていた小さな動物園で、2009年11月の死後も名誉園長として人々の心に残っていますja.wikipedia.org。現在はカピバラやワオキツネザル、ベンガルトラ兄妹など約50種の動物が飼育され、ふれあいや餌やり体験も充実。冬の「カピバラ温泉」や5月の写生大会など、四季折々のイベントも行われます。

秋には菊愛好家が丹精込めて育てた菊が並ぶ「信州須坂大菊花展」が開催され、2024年は市制施行70周年記念として11月1日〜17日に臥竜公園内特設会場で行われましたcity.suzaka.nagano.jpcity.suzaka.nagano.jp。会場には三本立てや懸崖作りなど約500鉢の作品が展示され、入場無料で楽しめます。

夏を彩る須坂みんなの花火大会

夏の風物詩「須坂みんなの花火大会」は、かつて竜ヶ池で始まった花火大会を引き継ぐイベントで、2025年は7月20日(日)に百々川緑地公園で開催されました。打ち上げは19時45分から20時30分までで、スターマインやメッセージ花火、ミュージック花火など約1,000発の花火が夜空を彩りますiwafu.com。長野市街の夜景と花火のコラボレーションが楽しめるとあって、毎年多くの人で賑わいます。

まとめ - 市民に愛され続ける臥竜公園へ

臥竜公園は、製糸の町として栄えた須坂が生んだ歴史と文化の証であり、春の桜、夏の緑風、秋の紅葉、冬の雪景色と四季の表情が楽しめる市民のオアシスです。桜や松の名所として名を馳せるだけでなく、百番観音や歴史的遺構、名物グルメ、動物園や花火大会など、多彩な魅力が詰まっています。近年はウォーキングやジョギングを楽しむ人も増え、地域の健康づくりの場としても活用されています。歴史に思いを馳せながら四季折々の自然を感じ、茶屋で名物に舌鼓を打ち、動物園の仲間たちに癒やされる…。そんな時間を過ごしに、ぜひ臥竜公園へ足を運んでみてください。その臥竜公園の物語! もの語り!

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